波と戦う夏のアオバト色の試作


昨年の夏に、観察スポットとして有名な大磯まで、初めてのアオバトを見に行きました。写真で見ていると美しいオリーブ色にうっとりしてしまいますが、肉眼で見た印象はまったく違ったものでした。

同行していただいたバードガイドさんから聞いたお話では、食べ物の栄養を吸収するためにナトリウムが必要だけれど、アオバトの餌にはあまりナトリウムが含まれておらず、海水を飲みにきているとのことでした。それも、20〜30kmも離れた丹沢からです!

さらに驚きだったのは、海水を飲む際に波にのまれて、けっこうなアオバトが死んでしまうことでした。目が慣れてくると、砂浜のあちこちにアオバトの死骸があることに気づきます。常連らしきバーダーさんが、昨日みつけた死骸は埋めてあげたからいま砂浜にあるのはまだ死んだばかりのものではないかと言っていました。水を飲むのがこんなに命がけだったなんて……。「もっと効率が良く安全な方法があるのではないか?」「なんなら私が丹沢に塩をお持ちしましょうか?」とも思いますが、それは人間の勝手な考えですね。
 
アオバト

岩の上に降りてきて水を飲むのですが、波がくると人間たちは「逃げて〜」と言いながら観察していました。たまに波に飲まれてしまう子がいましたが、私たちが見ている間では、幸いみんな波から飛び出すことができました。このときの「波 vs アオバト」の光景が印象深く、これをきっちり絵を描くというよりも風景を配色として捉えるようなイメージで、器に表現できないかと思いました。
 
蛍手の蕎麦猪口(夏のアオバト色)
まずは蛍手の蕎麦猪口に、荒々しさが出るように刷毛目わら束で波を描いてみました。ノーマルの白土はグレーっぽい色なので、ちょっと夏の炎天下らしさが足りないかなと思いました。あと波が強すぎて、アオバトが目立たないかなと。
 
お茶碗(夏のアオバト色)
次は方法や釉薬を変えて、お茶碗に描いてみました。本当は波の色は青にするつもりだったのですが、アオバトと同じ緑色になっています。どう見ても、瑠璃と青銅マットを使い間違えました(笑)。でもお茶碗は淡い色の方がマッチすると思うので、むしろこれくらいぼんやりした色味で良かったかなと思っています。

この二つは、14日まで開催のスクール展で展示しています。というお知らせだったのですが、前段としてアオバトが海水を飲む過酷さを紹介したかったので、長々すみません。

今度はオスの赤い羽の色も入れてみるなど、「波と戦う夏のアオバト色」の表現は引き続きいろいろな形で試していきたいと考えています。

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