長谷川明子さん『Sunrise!』



長谷川明子『Sunrise!』

本日、歌手・声優として活躍する長谷川明子さんの2ndシングルが発売されました! このCDのブックレットの編集をさせていただきました。

ライターの仕事は文章を書くことというのは、出版業務に携わっていない人にもそれなりに理解されています。

しかし、編集って一体何をするものなのかは、同業者以外ほとんどわかっていないようだと、普段いろいろな方と話していて強く感じます。

そんな風に思うところがあり、今回は具体的に何をさせていただいたのか、珍しく、ながーーーーいエントリーを書いてみたいと思います。個人的には、編集作業のほうがより追いつめられるので(笑)、好きなのです。


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今回のブックレットに関しては、「多くの衣装パターンの写真を載せたい」「発売日に合わせて夏らしい衣装にしたい」というのがご依頼内容でした。打ち合わせ時に、レコード会社の方や長谷川さんご自身と相談し、それならファッション雑誌っぽいコンセプトにしましょうか、という話になりました。

まず最初に、「ハワイアン」など夏らしいファッションテーマや収録予定の3曲が、どんな感じの曲になるか作者の個性などから予想して、各曲に合うようなファッションテーマのアイデア出しを行いました。

それから、ただ単にたくさんの写真が無尽蔵に載るのではなく、何か流れを作りやすいフレームが欲しかったので、1週間という枠を作り、7パターンの衣装にすることにしました。最終的なパターンの絞り込みは、ご本人などと相談しています。

そして、衣装の買い出しの同行と撮影準備としての構成ラフ描き、撮影の立ち会いを行いました。その後、改めてあがった写真を元に本番の構成ラフを作っています。

せっかくいろいろな衣装で撮影したので、似たレイアウトが続かないようにメリハリのある構成と長谷川さんの表情のバリエーションを出せるように考えました。健康的な雰囲気のある長谷川さんは、笑顔がチャーミングなのですが、だからこそ真顔にはドキッとする色気みたいなものが出てると思ったのです。

写真の流れは、入り口から別世界へ入った感を印象づけるため、一番非現実味のあるアリス風の衣装から始め、日曜日はオチ的に長谷川さんのプライベートを表現しています。

文章では、ファッション雑誌をイメージしたコピーを各衣装につけました。ここの複数フォント使いでファッション雑誌らしさを、デザイナーさんに表現してもらっています。

写真は、どちらかというとブランドのカタログをイメージして装飾しすぎず、余白をうまく使ってもらうようにしました。紙のデザインにおける余白は、デザイナーさんの腕のみせどころだと思います。

さらにファッション雑誌の、ちょっとアホっぽいキャプションに80年代アイドル雑誌のかなりぶっとんだキャプションを掛け合わせたような謎のキャプションを付けました。これは隅々まで見て変な面白さを見いだすのが好きな人向けなので、あえて級数小さめにしてあります。

内容には、長谷川さんの趣味やプロフィールも多少加味してあります。こういうよた文って、脳を通過しないようにして書くと、いくらでも出てきます。FLOOR net時代にWhy sheep?さんに連載してもらっていた、文通企画の返信もその類いでした。

それから、日曜日のページに、長谷川さんのミニインタビューをつけました。

長谷川さんは、変なアイデアのほうが喜んでくれるような面白いところがあり、そこはファンの人が長谷川さんを好きなチャームポイントだと思ったので「かっこつけられない(ちょっと変な)私」をテーマにしています。

ブックレットは4の倍数ページになる都合上、1ページ空くところがあったので、ファッション雑誌の最後の方といえば、占いが定番でしょということで、長谷川さんの大好物にかけて、おにぎり占いもつけました。

ここも、役割としてはキャプションと同じような感じです。実はおにぎり作りと撮影も、家の人間に手伝ってもらいつつ自分で行っているので、むしろそっちのほうが大変でした。塩むすびは色がなくてピントが合わせづらいとか、早く撮らないとすぐに海苔がしけっちゃうとか(笑)。

あとは校正や、関係各所の意見を反映させた修正などを反映しておしまい、という感じです。

このブックレットではレコード会社さんが進行役になっていますが、普段の本作りでは、こういった作業に加えてカメラマン、イラストレーター、ライターなどの人選・手配・打ち合わせ、全メンバーの進行管理などを編集者が行います。

ライターがCDのブックレットに関わるというと、解説文を書くという依頼が大半だと思います。しかし、CDを売り辛い時代にプロダクトとしての付加価値をつける意味でも、ブックレットというメディアを使って、ファン層に響く何かを作ろうというゼロのところから共に考えていくほうが、わざわざ出版の人間が関与したメリットを出しやすいと思います。

最近はやりのARなんかも使うと面白いでしょうし、紙でできることは今でもいろいろあると思いますので。

長谷川さんのブックレットに関しては、男性ファンには同性目線とは違ったピンとくるポイントがあるのではないか、というのをずっと気にしながら作っていました。男性にはなれないので、そこに答えは出ませんが、長谷川さんのさまざまな表情を楽しんでいただけると幸いです。

収録曲は、ブックレットと並行して徐々にできあがってきたのですが、ブックレットはあくまでCDのおまけなので、やっぱり曲が良くてなんぼというものだと思います。今回FM西東京の番組とのタイアップにもなっており、宇宙ヤングとエレキテルがカップリング曲を作っています。実際あがってきた曲がどれも素敵で、こんな素敵な曲たちのブックレットになったことを、とても嬉しく思います。


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