「Shizuko’s Daughter」読書感想文


私が一番好きな作家、キョウコ・モリさんの自伝的小説。

shizuko's daughter
キョウコ・モリ「Shizuko’s Daughter」

昭和の神戸を舞台に、季節感や時間の流れを花で表した風情のある視点で描かれています。

しかし物語はというと、主人公の有紀が12才の時に最愛の母が夫の浮気を苦に自殺してしまう辛い場面から始まります。妻に自殺されてしまった父親は、ほどなくして愛人であった元秘書と再婚します。

有紀にとっては継母となるこの女性は、女のイヤな部分や愚かな部分を多分に持った私が一番キライなタイプ。もちろん有紀ともうまが合いません。有紀宛の手紙もチェックしなければ気が済まない、すべて他人のせいにして罵る、気に入らないとヒステリーを起こす。

しかし有紀はそんな家庭環境でありながらも高校では成績一番、陸上では大会新記録を出す、といった頑張りやさん。夏休みの間に図書館でバイトをして溜めたお金で、自分が住む神戸から広島の大学に進学して一人暮らしを自活で始めます。

そして実母の実家にも気兼ねなく帰ることができるようになり、素敵なボーイフレンドもできます。

母親のトラウマで人を愛することに臆病になっていた有紀は、最初はそのボーイフレンドと友達以上の関係になることを拒みますが、実母が生前に描き溜めていたスケッチブックから、当時の父親に対する実母の愛情を感じ、心が徐々に開放されいくのです。そして、ボーイフレンドを受け入れられ始めるところでこの物語は終わります。

実はこの本を購入したのはもう5~6年前で、何度も何度も読み返しています。なんか辛い気持ちになった時に、ふと読みたくなる本のうちの一冊なんです。この本を改めて読んで、恋愛に限らず人が生きて行く上でやっぱり人は必要なのかなと思い始めています。

有紀の物語は発展途中で終わってますが、自分の物語は死ぬまで続くわけで、有紀を見習って打破しなくてはいけませんね。




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